猿八座としても希有な経験をさせていただきました。集中的に同じ演目を繰り返して演じる機会はなかなかありませんので、実践的稽古となって、手前味噌ですが、少しは実力アップにつながったような気がします。少なくとも自信になりました。
さて、この「山椒太夫」は、そもそも「丹後国の金焼地蔵」の本地物語です。由良の如意寺の地蔵堂に納められております。猿八の芝居では、口で紹介されます。

安寿と厨子王の額につけられた焼き金の傷は、地蔵菩薩の験力によって消されますが、その傷は地蔵が負うので、これを「身代わり地蔵」というわけです。「金焼地蔵」にはその傷があるわけです。安寿は別れ際に、持仏の地蔵を形見として厨子王に渡します。

その地蔵菩薩の持仏は、母との再会の後、もう一度奇跡をおこして、母の目を開かせます。

この度は、連続九回、これらの奇跡が起こったわけです。ありがたし、ありがたし。
本年の猿八座公演はすべて終了いたしました。
来年2020年の初舞台は、1月11日(土)同じく柏崎ドナルドキーンセンターで、「三番叟」「狢」です。
少し、気が早いですが、よいお年をお迎えください。