調査・研究・紀行
久しぶりに、佐渡真明座の舞台を拝見。午前中は、平家女護島から、「俊寛」と「宗清親子対面」。この「宗清親子対面」は、猿八座ではまだやっていないが、義経が女装して美人局になり、男を呼び込み、源氏方に味方するという血判を迫る。拒めばその場で殺さ…
1月9日(土)からスタートした「猿八まつり」と東京・鎌倉での新春公演。盛況の内に終わりました。寒気、厳しい折にもかかわらず、大勢の方々にご来場いただきました。改めて御礼申し上げます。又、東京会場の馬喰町ART+EATの皆々様、鎌倉公演を企画してい…
石垣島に行って来ました。「まゆんがなし」の地「川平(かびら)」を訪問することや、神の山「於茂登(おもと)岳」に登ることが、主な目的でしたが、案内をしていただいた、大田静男氏(郷土史研究家)から、「浄瑠璃ならあるよ。」と言われて、びっくり。…
以前から古い根緒が切れてしまっていました。面倒くさいので、テーピングで補強して使っていましたが、いくらなんでも、舞台では使えません。先日、浅草に行ったついでに、新しい根緒をひとつ買ってはきたのですが、自分で組めないものかと、その古い根緒を…
説経祭文の「信徳丸」を依頼されたので、薩摩若太夫正本を探したが、版本に行き着くことができなかった。薩摩派の写本を調べてみると、「善兵衛住処」という、呪いの釘を鍛冶屋に打たせる場面しか残っていない。これは、10年以上前に「祈り釘」という段と…
作家の姜信子氏は、猿八座の一員となり、八太夫会にも入って、三味線を稽古しています。8月の佐渡では、初舞台に上がってもらう予定です。さて、その姜信子氏と、浪曲師玉川奈々福さん、パンソリ唱者安聖民(アン ソンミン)さんの3人組は、「かもめ組」と…
新百合ヶ丘の川崎アートセンター 一人芝居京楽座の山椒太夫考を見て来ました。1時間45分ぶっ通しの熱演に脱帽でしたね。 中西さんの舞台を観たのは、テレビ放映だったはずですが、十五年以前で、題目も覚えていません。簓をするお姿が目に焼き付いてます。…
阿弥陀胸割を演じて以来、一光三尊像を拝んで毎日、阿弥陀経を唱えて来ましたので、長時間並んでも、前立本尊を拝めたので、大変有り難い次第です。回向柱に結ばれた善の綱は、前立本尊に繋がってますから、この柱に触れることで、本尊に触れたことになるわ…
善光寺参りの前に西光寺にお参りしました。竹澤繁子さんも元気に絵解きをされています。
こういう仕事柄、早稲田大学の演劇博物館には、いつか行かなくてはと思っていましたが、なかなか機会がありませんでした。そんな折、「響きで紡ぐ アジア伝統弦楽器展」というチラシをみつけたのでした。小さい字で、「若松武蔵大掾三味線『鈴虫』」と書かれ…
小出のインターのすぐ隣に、魚沼市小出郷文化会館があります。何度も通過している所ですが、今回、二日間に渡って、お世話になりました。演じていただいたのは、「塩沢歌舞伎保存会」の皆さんと、「越後魚沼干溝歌舞伎保存会」の皆さんでした。 塩沢歌舞伎:…
萩平歌舞伎公演は、今年で17回目ということです。秩父の人々は、大変行いが良いらしく、私が行く様になってから、雨と言う事は無くて良いのですが、毎回、夏の様な太陽に悩まされます。今日も暑かったですね。 さて、子供歌舞伎は、「吉例曾我対面 工藤館…
「主馬判官盛久」という浄瑠璃を、私は知りませんでした。調べてみると、近松34歳、貞享三年(1686年)の作品でした。この人形芝居を、真野の地蔵祭りで、真明座が演ずるというので、勉強に行ってきました。因みに、この波除けとは、津波封じのことだ…
真明座の長岡歴博公演「嫗山姥二段目」の後半「時行切腹の場」で八重桐を操った川野名座長は、まさに鬼人の如しでした。文楽では、「ガブ」という仕掛けで、頭の表情を瞬時に変えて見せますが、文弥人形にはそんな仕掛けはありません。八重桐の頭を瞬時に山…
6月吉例、真明座の長岡公演をお知らせ致します。午前の部:嫗山姥(こもちやまんば)八重桐廓噺の段午後の部:源氏烏帽子折(げんじえぼしおり)竹馬の場、宗清館の段どちらも、近松の作品です。源氏烏帽子折は、元禄三年(1690)近松が、38歳の時の…
「信太妻」は猿八座の演目の中でも公演回数が一番多い演目です。歌舞伎(芦屋道満大内鑑)でも演じられあまりにも有名なので、「忘れ去られた物語シリーズ」には入れていません。しかし、長い物語の内、演じられているのは、ほとんどが第3場の「信太の森」…
佐渡の文弥人形は十座ほどはあるはずですが、それらを事細かく見て廻るのは大変なことです。平成21年に、佐渡文弥人形大会が開かれて以来、人形座が一堂に会する機会は無いようですが、この4年前の文弥人形大会では、 佐和田の松栄座(ひらかな盛衰記)野…
猿八座が、阿弥陀胸割(あみだのむねわり)を初演したのは、昨年、平成24年の話だが、それが、本当に演じられていたのは四百年前の慶長年間のことである。ビデオも録音も無い四百年前の説経が、どんな人形操りだったのかを、古活字本以外に知るすべは無い…
ひらかな盛衰記:頼朝に追討される木曾義仲とその一族や、源氏の譜代である梶原家一族のお話 つづき大津宿屋鎌田隼人と山吹御前・駒若・お筆は、落武者狩りから逃れる為、巡礼姿となって木曾へと向かう。その道すがら、大津の清水屋に泊まります。隣合わせた…
台風27号28号が、日本列島をかすって行きました。28号は鉄人の様に凄い低気圧でした。本当に来なくて良かったです。さて、10月27日(日)は一転して、終日秋晴れでした。そんな秋の一日を、萩平歌舞伎舞台で過ごしてきました。 津軽三味線はカッコ…
関越道で通過していまうと、あっという間のことですが、やっと魚沼市の辺りを散策する機会を得ました。その中でも、永林寺と西福寺は、越後のミケランジェロと言われる石川雲蝶の作品で有名です。 石川雲蝶は、幕末の方なので、古説経の時代とは離れています…
平成25年7月7日(日)七夕。新潟は時折、集中豪雨の一日。梅雨明けしたという関東平野とは別世界でした。それは、さて置き、真明座の平均年齢が若返り、座長の川野名さんの操りまで若々しくなった今年の舞台は、沈滞ムードの文弥人形に新風を吹き込んだ…
昨年もご案内いたしましたが、佐渡の文弥人形「真明座」が今年も、長岡で公演を予定しています。7月7日(日) 長岡市の県立歴史博物館にて 午前の部 「孕常磐(はらみときわ)」 午後の部 「出世景清」 詳細は以下新潟県立歴史博物館へ http://nbz.or.jp/?…
5月4日、初めて川崎にある「ひとみ座」に行って参りました。乙女文楽若手公演「壺坂霊験記:澤市内の段~山の段」でした。この浄瑠璃ができたのは、明治時代とごく新しいので、当然説経には無い物語です。説経では、壺坂寺といえば、「松浦長者」の小夜姫の…
前回、角田川を訳出していて、梅若丸の忌日が、3月15日であるとい うことが分かりましたので、木母寺の行 事を調べた所、梅若供養は、4月 15日になっていました。旧暦で行うのでしょう。(因みに、今年の旧暦3 月15日は4月24日)しかし、4月の…
8月23日(木)畑野地蔵堂で文弥人形が演じられました。昨年は雨で大変でしたが、今年は天気に恵まれました。暑かったですが。 地元青年団は、「源氏烏帽子折」を、真明座は、「吉野都女楠」の「麦盗人」の場を演じました。どちらも太夫は久保宗香師匠です…
岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲。ラーニングアーバー横倉・樹庵の10周年記念イベントに集まったのは、早稲田大学名誉教授の鳥越文藏先生とその教 え子達でした。猿八座の八郎兵衛師匠も教え子の一人であることは言うまでもありません。私にとっては、近松門左衛…
越後国柏崎 弘知法印御伝記 江戸孫四郎正本 大伝馬三町目うろこがたや新板 貞享2年(1685年) 大英博物館所蔵 この古説経は、昭和37年に早稲田大学の鳥越文蔵先生が大英博物館で発見されたものである。この正本は、日本国内にはもう存在していないと…
4月1日(日)は、旧暦三月十一日、壬辰の日でした。 辰の年辰の月辰の日と言えば、わりと沢山ありますが、 壬と限定すると、60年に一度しか訪れません。 水の兄(みずのえ)と辰の組み合わせは、 まさに水を得た龍であり、 生命力に溢れた瞬間であると言…
佐渡に渡った時に、不思議に思ったことは、安寿の墓とされる「安寿塚」があることである。佐渡の安寿塚は、安寿姫の慰霊塔であり墓でもあるという。 左:外海府の海を望む鹿の浦の安寿塚 右:畑野の市街地にある安寿塚 説経節の山椒太夫は、与七郎正本(年代…