2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧
釈迦の十大弟子である目連を主人公とするこの説経は、「盂蘭盆経(うらぼんきょう)」の教えに基づいて盂蘭盆における施餓鬼の由来と、地獄について語る物語である。 説経正本集第二には、二つの目連記が収録されている。 23番は、万治から宝永年間の版と…
東京都あきる野市立多西小学校は、伝統文化理解教育が盛んな学校です。低学年は、昔遊びや藁細工。5年生は尾崎地区に伝わるお囃子。6年生は瀬戸岡地区に伝わる獅子舞や棒遣いを学習します。そして、この学校の4年生は、毎年必ず、歌舞伎の化粧をしたまま…
忘れ去られた物語のシリーズは、東洋文庫「説経節」で、荒木繁・山本吉左 右五両先生が、編集し校注を加えた、小栗判官、山椒太夫、苅萱、信徳丸、 愛護の若、ないしは信太妻を除き、江戸時代末期の説経祭文では、既に演じ られていなかっただろうと思われる…
竹生嶋弁財天の御本地 ⑥終 さて、天の邪鬼が余計なことをしている間に、カララ仙人と天和の宮は、なんなく 弁財天の居る天上界へ着きました。カララ仙人は、若宮を下ろすと、 「さあ、あれに見える林の向こうこそ、母上がお住みになっている浄土ですぞ。我こ…
竹生嶋弁財天の御本地 ⑤ さてその後、内裏にいらっしゃる聖武帝は、后を失ったばかりか、若宮も行方不明と なってしまったので、思い悩んで半死の床に伏してしまわれました。母元正を初め、臣 下大臣が、数々の薬酒を集めて看病に当たりましたが、快復の兆し…
竹生嶋弁財天の御本地 ④ 経正主従の働きによって、危うき難を逃れた聖武帝は、都に戻って、経正主従に恩賞 を与えました。経正には、肥前、播磨を給わり、大織冠に任じました。三人の若武者は、 それぞれ一万町歩を給わり、喜びの内に帰国したのでした。そこ…
竹生嶋弁財天の御本地 ③ その後、藤原経正は、岩堂丸と、こう相談しました。 「この度の御幸は、仮初めながら御大事のことなれば、あの金道丸を連れて行くことは、 考えものじゃ。もしも、短慮にして事をし損じれば、天下の大騒動となること必定。 なんとか…
竹生嶋弁財天の御本地 ② はっと、目覚めた聖武帝は、全身汗まみれでした。既に夜も明け、朝日が差し込んで いました。すぐに行基を呼んだ御門は、夢の次第を語って聞かせました。その話を聞い た行基は、しばらく考え込んでいましたが、 「これは、目出度き…
天満八太夫・重太夫正本(元禄年間) 古説経末期の作品であり、浄瑠璃の影響が色濃い。奇を衒う(てらう)設定や、合戦などを取り入れることで、受けを狙ったのであろうが、説経本来の情感を失ったストーリーとなっている。また人形操り的には、絡繰り(か…
かさでら観音の本地 ⑦終 そうして、右大臣頼忠公は、菖蒲の前を初めとして、親子兄弟を伴って都へ戻ったのでした。 人々の喜びは、限りもありません。しかし、善光道心は、修業の道を捨てたわけでは有 りませんでした。比叡山四明ヶ岳に庵室を結ぶと、十一面…
かさでら観音の本地 ⑥ さてその頃、右大臣頼忠公は、尾州の熱田神宮へ参詣なされ、その帰路、琵琶湖畔ま で来られましたが、長浜より、舟に乗りました。ところが、秋の天候は変わりやすく、 俄に、空が掻き曇り、波風が荒くなり、大雨となってしまいます。ひ…
かさでら観音の本地 ⑤ かつて、花と栄えた滋賀の里でしたが、今は、人々も散り散りとなって、館も朽ち果 てて、親子三人が、侘びしく、嘆きながら月日を送っておりました。ある晩秋の夕暮れ のことでした。北の方は、その頃、風邪をひいて寝込んでいたので、…
かさでら観音の本地 ④ さて、菖蒲の前をまんまと消すことができたと喜んだ北の方でしたが、ひとつだけ、 気にかかることがありました。 「今は、もう、思いの儘に、菖蒲の前を消し去ったが、下の水仕の糸竹を、このまま生 かしておいては、いつ、この秘密を…
かさでら観音の本地 ③ ほうほうの体で、都に帰った右大臣頼忠公は、帰るなり、早川文太重次を呼び出すと、 「さても、おぬしは、粗忽者じゃ。まったく、太政大臣のこの家を汚し、末代までの 瑕瑾となるところであったぞ。菖蒲の前の心様といい、その姿形とい…
かさでら観音の本地 ② まだ見ぬ姫に憧れた、右大臣頼忠は、賎しき者の姿に身をやつして、恋の闇路に迷い 出て、願掛けに、常陸帯(鹿島神社の神事:意中の人の名前を帯に書く)まで締めて、 やがて、滋賀の里にお着きになりました。 さてその頃、菖蒲の前は…
かさでら観音の本地 ① この物語は、愛知県名古屋市南区笠寺町にある、天林山笠覆寺の十一面観音の謂われ を説くものであるが、この寺に伝わる「玉照姫」の由緒とは異なり、開祖善光上人にま つわる物語である。 主な登場人物 ①帥の中将有末(そつのちゅうじ…
明けましておめでとうございます。 昨年は、新しい出発の年でした。 多くの方々との出会いと、ご支援によって、 説経師としての方向性をつかむことができました。 改めて、感謝申し上げます。 さて、2年目の今年、平成24年は、壬辰(みずのえたつ)の年で…